桐島、会社やめるってよ

読んだ本や見た映画についてのアレコレ

本・漫画

『コロナと生きる』

『コロナと生きる』は思想家の内田樹さんと感染症の専門家の岩田健太郎さんの対談をまとめた本。出版されたのは2020年9月で、まだワクチンも完成されていなかったころなので、最新の情報ではないのだけれど、ひざを打つような社会への視座にあふれていて、マ…

最近読んだ本(4月後半)

最近はまた読書欲が高まってきたので、図書館にいってもいい本が見つかる。 ①『謎のアジア納豆:そして帰ってきた<日本納豆>』高野秀行 我々日本人は、よく外国から来た人に対して、にやにやしながら納豆を食べさせ、「味はうまいけど、臭い」とかしかめつ…

最近読んだ本(4月その1)

昨日、ブログを書いたら、最近読んだけどメモしていなかった本を思い出したので書く。選ぶ本はそのときの心境を表すというか。最近は、会社を辞めることへの一抹の不安を感じているのだろうか、日本でいわゆる「普通の生活」を送っておらず、肩の力を抜きな…

最近読んだ本(3月)

またまた、久しぶりの投稿となってしまったー・・・。 読書ができる状況というのは自分の精神状況に結構ゆとりがあるとき、というのは改めて感じたこと。3月は仕事も大変だったし(まだ終わってないけど)、なんかいろいろとむしゃくしゃすることが多かった…

最近読んだ本(2月)

また日記を書かずにほかっておいたので、読んだ本がたまってしまった。 備忘録としてメモ。 ☆3つはすごくおもしろかった、☆2つは結構おもしろい、☆1つはまあまあ 一応、言い訳みたいにしておくと、本が面白いかどうかはその時の気分とかにもよるので、また後…

『趣味で腹いっぱい』

ここ最近で読んだ小説の中では、なぜかぐっときた本作品。 やさしさと肯定感にあふれた小説で、いや~な感情が少し洗われるかのよう。 主人公は、若い夫婦の小太郎と鞠子。 鞠子は、平安時代の日本文学の研究のため大学院まで行ったけど、卒業後は本屋でバイ…

『罪の声』

2016年に出版されて、山田風太郎賞を受賞した本『罪の声』を読んだ。 去年には、星野源・小栗旬主演で映画化もされたので、記憶にも新しい作品。 グリコ森永事件をモデルにして作られたフィクションで、かなり骨太なミステリ作品になっている。内容をあまり…

『ユニクロ潜入一年』

ジャーナリストの横田増生さんが、ユニクロの販売現場の実態を知るために、ユニクロのアルバイトとして働いた経験と、実際の海外工場の現状を取材して得た情報をもとに書かれた本である。 冒頭はなぜ横田さんが、アルバイトとして働きはじめたかについて書か…

『人生は攻略できる 』

著者の橘玲さんの本に初めて出会ったのは確か社会人2年目。 当時、『タックス・ヘイブン』とか『マネーロンダリング』といった小説が出ていて、国際金融の枠組みの中で、違反にはぎりぎりならない手法を駆使して、富裕層の節税やマネーロンダリングの指導を…

2020年に読んで面白かった本(下半期)

7月はさすがにステイホームに飽きてきて、気分転換のためにたまに近所のカフェにコーヒーを飲みに行ったりしていた。池澤夏樹個人編集の日本文学全集を何冊か試し読みした。近くの図書館には全30冊が、ほとんど誰にも借りられずに綺麗に並べられているので、…

2020年に読んで面白かった本(上半期)

最近映画も見ていないし、本も読んでいないのでネタがない・・・。 仕方がないので、2020年に読んで面白かった本についてあーだーこーだ言う記事にする。とりあえず今日は1月から6月までの上半期。 1月といえば、新年の目標を紙に書いて所信表明したくなるの…

『決壊』

徒歩5分の場所に図書館があることの素晴らしさ。もし今後引っ越しするとしても、図書館が徒歩5分の場所にあること、それを必須条件にしたい。この1年間はコロナ禍ということもあって、どこかに出かけることもあまりなく、ただひらすらに本を読んだ。これも、…

『居るのはつらいよ:ケアとセラピーについての覚書』

www.amazon.co.jp またすごく面白い本に偶然出会ってしまった・・・。 この本を出版している医学書院というのは、「ケアをひらく」というシリーズを展開しており、そのシリーズ本がなんともいえぬ魅力がつまっているのである。例えば、安倍首相も患ったとい…

『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』

www.amazon.co.jp 復職して1ヶ月くらいたつわけだが、どうもやはりストレスが溜まってきたと感じる。別に仕事の内容がハードルが高いわけではなく。そして、私自身には仕事があまりないのに周りの人はめちゃくちゃ忙しそう。なら、他の人を手伝えばいいので…

『服従』※ネタバレ

www.amazon.co.jp 2022年のフランス大統領選で、マリー・ルペン率いる極右政党をやぶり穏健派のイスラーム政権が誕生する。イスラム政権下では、様々な改革が進み、国立大学の教授や生徒はイスラム教徒に代わっていく。ノンポリでインテリな「僕」はフランス…

『断片的なものの社会学』

www.amazon.co.jp 自分が読む本や映画は自らの意思で選んでいるか、というとそうでないものも多い。この社会学者の岸先生による『断片的なものの社会学』は、まさに偶然が重なって出会った本だと思う。まず、そもそも岸政彦という社会学者の名前を知ったのは…

『騎士団長殺し』

『騎士団長殺し』は 2017年2月に新潮社から発売された村上春樹の長編小説だが、私はこれが発売された時代の風景ををよく覚えている。というのも、同年3月に誕生日を控えた友人にこの本を上下セットでプレゼントしたからだ。小学校の高学年くらいからプレゼン…

『カザアナ』

読み終わって、どこか牧歌的な雰囲気を感じさせる近未来の日本を舞台にしたディストピア小説だな、と思った。先日の森絵都『みかづき』が結構面白かったので、同筆者の最新作『カザアナ』を読んでみての感想だ。 『カラフル』とか『永遠の出口』とかの、昔の…

『プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが・・・』

『プロット・アゲンスト・アメリカ もしもアメリカが・・・』は、私が勝手に先生と呼ぶ内田樹さんがどこかの媒体でお勧めしていた本で、気になっていたので近所の図書館で借りて読んだ。 www.amazon.co.jp この本は、作者のフィリップ・ロスが6歳のときの194…

『みかづき』

www.amazon.co.jp 私が読書を好むのは様々な理由がある。 その理由の一つとして、本を読んだり、はたまた手に取るだけで過去の思い出が蘇るのが面白いということがある。 それも今回の本を手をとった時にも突然立ち上がった思いだった。 『みかづき』の作者 …

『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車内で発狂した』

www.amazon.co.jp 書店をぶらぶらしていたときに、そのセンセーショナルなタイトルに目が引かれた本書。図書館で偶然見かけたので借りて読んでみた。 潜入バイトものといえば聞こえはいいが、現代の蟹工船的な話だった。イギリス人のジャーナリストがアマゾ…

『小田嶋隆のコラム道』

『小田嶋隆のコラム道』というのは不思議な本で、ハウツー本のような見かけをしているが決してそんな簡単な本ではない。ワイドショーの紋切り型な切り口とは距離を置いて、世の中の出来事をいかに多面的に見て、自分の頭の中で創造し、描写するかについて語…

『彼岸過迄』『「文豪とアルケミスト」文学全集』

いよいよ休職期限も過ぎ、明日にも復職となった。 おまけに、どのように復職するか具体的な職務について話すために今日の夕方にチームメンバーと電話で話すことになっている。夏目漱石作品における「高等遊民」を地でゆく1ヶ月強も本日までという事実に深い…

『硝子戸の中』

www.amazon.co.jp 「硝子戸の中」は、解説にもあるように、漱石が「修善寺の大患」と呼ばれ生死をさまよった時期よりも後、晩年にかかれたエッセイ集である。 漱石の初期作「吾輩は猫である」や「坊ちゃん」はリズミカルでどこかとぼけたコミカルな文章だっ…

『デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する』

www.amazon.co.jp 最近はいかに情報過多から逃れるかということを考えている。 先日読んだ「反応しない練習」も昨日観た「監視資本主義~」も外部からの情報に人間が過剰に反応し苦しめられている事実を明らかにしていた。 私はこれといった最新のSNSをやっ…

『反応しない練習』

books.rakuten.co.jp 一冊一冊の本との出会いに異なる思い出がある。 私は普段、近所のこじんまりした図書館で本を選ぶことが多い。 近所の図書館は地下1階の陽が全くあたらないせまい場所にある。 しかし天井まで続く本棚が所せましにずらっと並ぶ感じは壮…

『クレヨン王国 まほうの夏』

bookclub.kodansha.co.jp 読んだきっかけ 青い鳥文庫といえば、講談社の児童向け文庫シリーズ。 私も小学生の頃に、夢中になって読みました。 なかでも、クレヨン王国シリーズは何十冊も出ていて、 図書館で読んだことのない本を見つけるたびに借りて読んで…

『ザ、コラム』

www.amazon.co.jp 在宅勤務が始まってからというものの、TBSラジオを流しながら仕事をすることがある。TBSラジオの中で一番気に入っているのは、赤江珠緒さんがメインのたまむすびだが、中でも小田嶋隆さんがゲストで出演される月曜日の「週刊日本の空気」を…

『そのへんをどのように受け止めていらっしゃるか』

自分の中の違和感を言葉にすることの大事さ 昨日までに何かに憤っていたり、悲しんでいたのにもかかわらず、それが何だったのか思い出せないということは多々あると思う。 以前、TBSラジオのSession 22にライターの武田砂鉄さんがゲスト出演した際、「最近は…

『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円』

見渡せば、会社を辞めたい人ばかり このブログタイトルの通り、私は社会人になってからというもの、この 10年ほど毎日のように「会社を辞めたい」と思ってます。 私は子供のころ毎日のように「勉強いやだなあ」とつぶやき、生来の怠惰さを周りにアピールして…