桐島、会社やめるってよ

読んだ本や見た映画についてのアレコレ

先週と先々週の日記(2020/10/27~2020/11/8)

10月27日:家でゆっくり過ごす。ネットフリックスで「リチャード・ジュエル」を見る。

 

10月28日:母親と2泊3日の旅行。早起きして松本駅で落ち合う。特急あずさは初めて乗ったのだが、せかせかしておらず、車窓ものんびりとしていてなかなかよい。車中では谷崎の「猫と正造とふたりのおんな」を読む。あまりの面白さに衝撃を受けた。

松本から穂高までJRで30分。そこで自転車をレンタルして、穂高神社・大王わさび農園あたりを散策。天気も良好でアルプスの山々を背景に走る車道は最高に気持ちよかった。車道の脇を流れる川も清清くきらめいていた。大王わさび農園にてランチ。わさび農園を歩きながら休職中の心境について話す。一休みがてらわさびソフトクリームを食べる。その後、穂高駅まで自転車で戻る。穂高駅からホテルのバスに乗り、ホテルに直行。夕食は和食のコース。めちゃくちゃ大量の夕食にさすがの私でも食べきれず。ホテルの外観はそこそこの古さを感じさせるが、おもてなしはなかなか。ハード面での改修はコロナ禍では難しいが、ソフト面ではGo to travelの恩恵を受けて力を入れている感を得た。

 

10月29日:朝風呂に入った後ホテルを出る。松本駅にいったん戻り、上高地を目指す。ローカル線で新島々駅へ。その後バスで大正池まで1時間ほどゆられる。大正池から上高地のホテルまで1時間ほどかけて散策。森の静けさに包まれながら澄んだ空気を思い切り吸い込む。体中の細胞一つ一つに新しい息吹を吹き込むように。今一度新しい自分になりたいという願望を心のどこかで抱いている。ホテル到着後、ホテル周辺を散策。10月末ともなるとさすがに寒気がしみる。母親は20年ぶりくらいに上高地に来たようだが、かっぱ橋が記憶の中のそれとはかなり違う印象を抱いたそう。ホテルに戻り、夕食。夕食はデフォルトでは和食だったが、昨夜の大量の夕食に若干あてられたため、洋食に変更してもらったのがよかった。夕食後はホテルの大浴場へ。ぬるめの湯が冷えた体にしみる。夜は早めに就寝。

 

10月30日:朝早く起床。チェックアウトを早々に済ませ、明神池・明神橋まで1時間弱ほど歩く。澄んだ朝の空気に再度リフレッシュ。上高地のバスターミナル付近に戻ってきてからはバスで新島々へと下山。その後ローカル線で松本まで戻る。お昼は駅ビルの蕎麦屋で鴨南そばを食べる。その後、徒歩で15分ほどの松本市立美術館へ。企画展はミュシャ、常設展は草間彌生というなかなか面白い展示。ミュシャはその名を知らしめたポスターや本の挿絵の展示が見る者へのインパクトを与えるとともに、その精緻なデザインがかなり面白い。後世に与えた影響の大きさも同時に展示しており、現代へと脈々と連なる文化の深さを感じる。日本のクリエイターに与えた影響として少女漫画の漫画家やゲームデザイナーの絵等も展示されていた。少女漫画の絵にはあまりぴんと来なかったが、ファイナルファンタジーシリーズのキャラデザインを手がけた天野喜孝さんの絵は水墨画のような流れる筆遣いとミュシャの構図のハイブリッドのような感じでファンタジー性と伝統の両方の息吹を感じて面白かった。その後、草間彌生の展示へ。草間は松本で生まれたことから、自らの作品を寄贈しているようで、有名なかぼちゃやドット画があった。自らの苦悩を詩として残した壁一面の展示は鬼気迫る草間の精神状態を感じてクラクラした。その後、同じ敷地内のカフェレストランにてお茶。その後松本駅まで戻り、それぞれ帰路についた。松本・上高地への旅は、その上高地の美しさや地上との気温の違い、さらには美術館の展示などすべてをひっくるめて現実味のなさから、なにやら霊界への訪問のような、この世のものとは思えない不思議な経験だった。

 

10月31日:昼は幼馴染の2人と久しぶりに上野にて焼肉ランチ。話題は健康から借家か持家かの議論やら将来の子に関する話題へとあちこちと飛ぶ。夕方から犬と木場公園へ行く。公園内のドッグランは三密で、遠巻きにその様子を眺める。私の家の近くではポメラニアンを飼っている家は少ないのだが、なぜか木場公園にはポメがたくさんいる。謎。

 

11月1日:特に記憶に残っていないが、おそらく犬の散歩に行ったと思う。

 

11月2日:休職期限が残り1週間ということで、そわそわした気持ちを感じ始める。いつも通りホットヨガへ。早めに寝室に移動し、谷崎潤一郎細雪を再び読み始める。

 

11月3日:アマゾンプライムで「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」を見る。夕方に思い立って美容室へ。髪色を暗くしてもらう。谷崎の細雪を読んでいたのを担当美容師が見て、「読書お好きなんですか?」と質問してくる。普段はほぼ無言で髪を切ってくれる美容師なのだが、最近読んだ本や美術に関してなぜか意気投合して、盛り上がる。久々に家族以外の人とコミュニケーションが成立してちょっとうれしい。帰宅後、気になっていた「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を見てダウナーな気持ちになる。

 

11月4日:内田樹先生の最新著書「日本習合論」を読む。合間合間で中島らもの「ガダラの豚」を読む。

 

11月5日:犬と長い散歩へ。天気もよかったので、千鳥ヶ淵方面へ。そのまま北の丸公園へ。広々とした芝生でのんびりする。仕事のことを考えない時間は、なんというか快でも不快でもなくニュートラルな自分自身でいられると思う。ひとたび仕事のことを考えると不快になるのは、そこに他人の視点が自分自身の価値を測るような錯覚におちいるからだと思う。自分がInstagramをやっていたら自らのInstagramの投稿への他人の評価を著しく気にしただろうが、私はやっていないので、プライベートに限って言えば他人の価値基準を介入させずに気持ちよく過ごせる。仕事となるとそうはいかないのがなかなか難しい。

 

11月6日:午前中はかかりつけ医のもとに赴き、復職のための診断書をもらう。その後近くのブックオフで数冊の古本を買う。夏目漱石谷崎潤一郎は図書館での借本ではなく、文庫で集めようと思った。昼過ぎからはホットヨガへ。汗をかいてすっきりする。夜はキーマカレーをつくって食べる。

 

11月7日:昨日買った夏目の「硝子戸の中」と谷崎の「蓼食う虫」を読む。夕方はギター。夜はガパオライスをつくって食べる。

 

11月8日:朝はゆっくり過ごす。昼は近所の油そば。午後は近所の鍼灸院で2度目の鍼治療。中国鍼なので、結構痛みを感じる。生理不順が治るといいのですが・・・。帰宅後は犬の散歩へ。夜はふるさと納税返礼品のかにでかにしゃぶ。