桐島、会社やめるってよ

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良いお金との付き合い方とは

最近、お金をどう使うのか、あるいはためるべきかということを考えるきっかけがいくつかあった。

一つの契機はコロナ禍。ありがたいことに自分への仕事の影響はあまりない一方で、自宅にこもり消費が減った結果、今までにないレベルの貯蓄をすることができた。おそらく手取りの半分くらいは貯金あるいは投資に向かったように思う。

増える資産残高を見て、うれしいなと思うのもつかの間、幸せなのか?という問いには即答できない状況だった。もちろん、他人と比べれば、仕事をなくすこともなく、生活できているという点では相対的には幸せなのだろう。しかし、自分が幸せかどうかはあくまで他人との比較ではなく、自分の過去・未来との比較、あるいはその時々の絶対的なものなのだろうと思う。

 

もう一つの契機としてあげるなら、今年に入って実行した2つの大きな消費である。一つはわかりやすく「ブランドもののいいカバン」であり、もう一つはパーソナルトレーニングである。前者は、人生に一度は経験したいと思っていたことで、去年貯蓄をしっかりできたご褒美として実施してみた。ハイブランドの店舗に入るだけで、店員さんががっつり脇に張り付いて接客してくれる。恭しく扱ってくれることに高揚感を感じる人もいるみたいだけど、自分はやはりショッピングは苦手なので(たぶん自己肯定感が低いから)、その場はあまり楽しめなかった。しかし、帰ってから新しいカバンの皮のにおいをかいだり、外で使ってみると、「いいかばんを自分のお金で持てるくらいに大人になったのだ」という嬉しさが後からやってくる。これからバンバンいいカバンを買うことはないだろうけど、いい経験だった。

後者のパーソナルトレーニングは、まだ始めたばかりだが、すでに心身両方へのいい効用を感じている。一人で鍛えるジムには何度か通ったことがあるけれど、機械の使い方もよくわからないし、そもそも自分の身体のどこを鍛えたらいいのかという点が一番わからない。そこをカバーしてくれるのがパーソナルトレーナーであり、言われたことをやればいいから気持ちも楽。運動することで幸せホルモンも分泌されるし、一石二鳥である。筋トレをすることで自己肯定感が上がるような感じもするので、しばらく続けたい。

 

さらに、いまひとつ検討しているのは顔の脱毛である。ホルモンバランスが相当に乱れているのか、ストレスなのか、男性並みのひげがあごや首に生えるようになった。しかも20代前半にあったような5~6本とかのかわいい話ではなくて、すくなくとも20~30本くらいは簡単に目視できるレベルである。ピンセットで抜いたとしても、黒い毛穴が目立ってしまったり抜いた毛穴が少し赤くなったりして、これは自分の力ではどうにもならないな・・・と思った。今はマスクで多少なりとも隠れているからいいけれど、いずれマスク生活ではなくなったときに、嫌な気持ちになることが予想された。

会社に思ったのは、意外と他人の顔の毛は見えるものである。同僚の首筋の産毛が生えているな、とかうなじに毛が生えているなと当時はよく思ったものである。。。もちろん毛が生えていること=悪では決してないけれど、自分の自己肯定感を上げるには、今気になることを解決していくのがいいのだと思った。もちろん脱毛もそんな安い買い物ではないけれど、自分が「やってよかった」と思うことにはお金を使うのがよりよい日々の営みには大事なのだなあと30を前にして実感したのであった。

 

思い返してみれば、子供のころからお金を使うことへの罪悪感があった。お金を使うのは悪いこと、みたいな正体不明の恐れがあったように思う。しかし、大人になって一人暮らしをして思うのは、一人の人間を生かすのには本当にお金がかかるというもの。子供の頃は気が付かなったが、普通に呼吸をするだけでお金がかかることを知れるようになったのはよかったと思う。逆に、普通に生きるだけでお金がかかるなら、よりよい生活のためにお金を使うのはあるべき姿なのだろうな、とも思えるようになった。

 

もし今後子供ができたらお金の使い方もまた変わるだろうから貯蓄は継続して続ける予定だ。一方で、できるだけ日々の生活を心地よくするためにお金を使うことに罪悪感を抱かないようにしたい。