桐島、会社やめるってよ

読んだ本や見た映画についてのアレコレ

無職日記 Day 3

8時ごろ起床。9時過ぎに犬の散歩へ。ひさびさに晴れの模様。日陰に入ると風が心地よい。梅雨さえなければすごくいい季節なんだなあと再確認。

 

その後、昨日のリベンジのために図書館へ。滞在時間5分くらいだったけど次から次へと興味深い本が見つかって5冊くらい借りてきた。あと、ずっと予約していた石井妙子さんの「女帝 小池百合子」も受け取り完了。いい本が見つかったものだ、とホクホク顔のまま、今日は読書デーと心に決めて近くのカフェへ。

 

まずは浅井リョウさんの小説「スター」を読み始める。オーセンティックな映画作りを目指す主人公2人が昨今のyoutubeTiktokのブームの中でどう自分らしさを発揮しながら興行的成功を収めるのかという心の変遷をたどった話(だと思った)。きっと、小説家も同じようなことを考えているんだろうと思う。特に最近は「わかりやすさ」が重要視されてしまって、人間の感情を単純化しすぎている感があるのに対して、いかに複雑な状況を複雑なまま咀嚼して身にしていくのか、という工程に腐心する小説家は昨今の現状に頭を抱えているのではないかと思う。浅井リョウさんは、そんな心の中のグラグラを見事に小説に昇華してみせたような感じがする。同世代の芥川賞作家ということで、彼の小説やエッセイは常に読み続けているのだけど、読むたびに人間の精神性の深淵を覗かせてくれるような感じでとても頼りになる人だなあと思う。

 

全く話は変わるのだけど、隣で座っていたカップル(たぶん40代くらい)のうち、女性の方がすごくでかい声で同僚への愚痴を彼氏(or 旦那)に話していてイライラとしてしまった。できるだけ聞かないようにしていたのだけど、察するにその女性はずっと派遣社員をしていて会社も点々としているようで、その中で正社員なのにスキルのない同僚に対して、「正社員で自分より待遇もいい人が自分より能力が低くてすごくイライラする」みたいなことを言っていてなんだかもやもやしてしまった。もちろん正規・非正規の待遇差は是正されるべきと思っているけれど、正社員は正社員で大変なこともあるわけで、その女性にとっての都合というか、その女性が見えている世界で特定の人を断罪する姿勢というのが少しいやだなあと思った。とはいえ、自分もそういう視点は常に他人に対して持っているわけで、人の振り見て我が振り直せとはこういうことなんだろうと思った。

 

まあ、そこから、クラシック音楽を聴きながら雑音はミュート(スメタナの「わが祖国」は胸にしみる名曲)。

「スター」を90%くらい読み終えたところで、おなかがすいてきたのでいったん帰宅。お昼は納豆キムチチャーハンとみそ汁。その後は、「スター」を読み終えてから、「女帝 小池百合子」に移る。政治家になってからの節操のなさとか、政治思想のなさとかはなんとなく画面から伝わってきたけれど、それよりも驚くべきはエジプト留学時代の話。破天荒なエピソードの数々に「無茶苦茶な・・・」という気持ちになってくるけれど、やはりこの世の中うまく生きていくのにはメンタルの強さが一番だなと改めて実感する。大事なことは二回いう。大事なのは厚顔無恥ともいえるほどのメンタルの強さ。

 

その後パーソナルトレーニングへ。1時間ほどみっちり鍛えて今日はそのまま帰宅。夜は麻婆豆腐を作って食べる。夜はTBSドラマ「リコカツ」の最終回。北川景子の美しさをひたすらに拝める楽しいドラマでした。