『デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する』
最近はいかに情報過多から逃れるかということを考えている。
先日読んだ「反応しない練習」も昨日観た「監視資本主義~」も外部からの情報に人間が過剰に反応し苦しめられている事実を明らかにしていた。
私はこれといった最新のSNSをやっていないのだが、Youtubeを見始めたらレコメンドされた次の動画を延々と見てしまうという点ではデジタル断ちは全くできていない。
この「デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する」は、スマホやSNSとの付き合い方を自らの哲学に従って自分で決め、本当に大切と思うことにもっと人生を集中するための本だ。
具体的なハウツーを説明しているというよりかは、実際に大切なことに集中できた人たちがどういうルールに従って過剰なスマホ利用を減らしたのか、というエピソードが多い。
先日、Yahooニュースを見ていたら、こんなニュースが流れていた。
お騒がせ芸能人的な存在のクロちゃんがいつも元気なのは、散歩のおかげだという。
実は同じようなことを言っていた人がこの「デジタル・ミニマリスト」でも紹介されているヘンリー・ソローの「森の生活」である。ボストン近郊の湖のほとりで2年以上自給自足で過ごしたソローの古典的な自伝で、ソローはその本の中で一日2時間以上の散歩が必要であるといったエピソードを披露しており、散歩によって頭の中の情報が整理され、次第に癒されるというのはいつの時代も同じなのだろうと感じた。
早速感化された私は犬を連れて朝っぱらから東京の町を歩き回ってみた。
途中から冷たい雨が降ってきてあわてて傘を差して自分の運のなさを嘆いた。
雨が降ってきては帰るしかあるまい。散歩の効用を感じることもなく一日が終わってしまった。
正直、スマホから完全に離れることは難しい。
それでもたまに思うのは、自分の目や耳で見たこと聞いたことをもっと信頼してあげていいのではないかと感じる。日々の生活の中で退屈を感じたり、渇望する気持ちというのは、自分自身でなんとかするしかないのだから。