桐島、会社やめるってよ

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『赤い殺意』

『にっぽん昆虫記』が面白かったので、同じく今村監督の『赤い殺意』をNetflixで見てみました。

 

大嫌い !大嫌い!大嫌い!大好きっ!

という感じでした・・・・(^.^)/~~~

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かんたんにあらすじを書いておくと、

封建的な雰囲気が色濃く残る東北地方にある高橋家に貞子という女がいて、事実上の夫である吏一と息子と暮らしている。『事実上』と書いたのは、貞子が高橋家の先代の妾から生まれた娘で、常に夫や姑からいびられ立場が極端に低く、婚姻関係も結べていない。また息子の親は姑ということに届けられている。

ある日のこと、貞子は一人家にいるときに強盗に押し入られ、そのまま犯される。その後も何度か関係を結ぶ中で、貞子は次第に女として、母としての本能を思い出ししぶとい強さを見せるようになる・・・・。という感じ。

 

まず本当に嫌いだな、と思ったのは強盗である平岡。

単純にめちゃくちゃ気持ち悪かったです🤮

確かに心臓病を抱えて余命いくばくかで、かつ寂しさをまとった強盗として描かれる。

 

若い女性、さらにいうと妾腹である貞子の立場の低さは当時の時代背景からいったら説明可能なのかもしれません。

でも平岡のぬめ~っとした迫り方をみて「うわあ・・・」と、ひたすらに嫌悪感。

男女平等がゆっくりとでも進んでいる現代に生まれてよかったです(^.^)/~~~(どういう感想?)

 

あと嫌いだったのは、貞子の夫である吏一。

小心もので病弱な吏一だが、家では貞子をあごで使っていばりくさっている。

おまけに、外では同僚の義子と長年不倫関係にあるのに

貞子の不貞を疑った時の問い詰め方。いやあ、本当に嫌だ(真顔)。

 

でも、やっぱり最高に面白い映画だと思いました。

特に貞子演じる春川ますみは本当に存在が貞子としての納得感たっぷり。

どこかひょうきんなたたずまいが、この一歩間違えば深刻になりすぎるドラマに軽さを与えている。今村監督の映画にありがちなコミカルなサウンドにやけにマッチしている。いわゆる普通の外見の見た目で主演を張る女優って最近だとあまりいない印象。

 

あと、狂言回し的な存在の義子。存在がもう面白いです。

吏一と接しているときの大げさな猫なで声と平岡・貞子を追いかける探偵ばりの身のこなし。映画全体を重くさせずに軽やかに次のシーンに引っ張っていってくれる存在だと思いました。

 

白黒映画にも関わらず、監督がしかける演出によって登場人物たちの動きや心情がドラマティックに描かれていました。東北弁がきついので見るときは日本語字幕が必須。