桐島、会社やめるってよ

読んだ本や見た映画についてのアレコレ

『天気の子』

自分にもアニメリテラシーがついてきた気がする。もともとアニメを見る習慣なんて全くなくて、見てもジブリくらいで、それ以外はあまり興味がわくことがなかった。

一方で、やはりネットフリックスへの加入がその価値観を結構変えたかなと思う。以前、『君の名は。』を見たときは、なんかあんまり乗れなかったからこそ、似たような雰囲気の『天気の子』は見ることないのだろうな、と思っていた。

 

先日、地上波で『天気の子』がやっていて、夫が見ていたので、自分もながら見することに決定。意外と楽しめた。あらすじを簡単に書くと、家出した高校生の穂高は、東京へと上京する。ひょんなことから、雑誌ムーの編集者としてバイトをしながら生活する中で、絶対に晴にすることのできる「晴れ女」の陽菜とであう。陽菜と穂高は、「晴れ女」業でお金を稼ぎながら、スナックを買い込んで食べたり、自由に生きることの楽しさを満喫する。しかし、古代から、天気を操る能力のある人間は、人柱として犠牲になる必要がある、みたいな考えから突然陽菜は、天上に連れていかれてしまう。さらに穂高はなんと、上京したときに偶然拳銃を拾っており、それが警察にばれているから、さあ大変。という感じで二人が離れ離れになってしまうけれど、穂高はどうしても陽菜をあきらめられないから・・・・・・みたいな感じの話でした。君の名は、よりむしろ好きだった印象。理由としては、短絡的なんだけど、自分の近所が出てきて、「あーわかる、わかる。この通りってあの通りに似てるわ」とか、急にテレビの中に自分が知っている風景が描かれることの楽しさがあった(それかい)。あと、歌舞伎町の喧騒の中で、若者の貧困に陥ることの容易さみたいなものがちゃんと描かれていて好印象を抱いたから。穂高と陽菜が、インスタントラーメンとかを買い込んできゃっきゃうふふしている場面とか、確かにこういうシーンが日本のどこでもあるんだろうな、なんて思ったりして、幸せのもろさみたいなものを痛感した。

あと、完全にネタバレをしますが、穂高と陽菜は無事に再会できるんだけど、その結果として東京の雨が降りやむことはない、みたいな展開になる。それでも、雨がやむことを祈り続ける陽菜をみて「僕たちはきっと大丈夫」みたいなことを言う穂高には、若者が今後も迫りくる困難を認識しながらも力強く生きていくことを決意した、みたいな感じで結構ぐっときました。