桐島、会社やめるってよ

読んだ本や見た映画についてのアレコレ

『シンプル・ファイバー』

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Netflixでお勧めされていたので、早速見てみた。アナ・ケンドリックブレイク・ライブリーの2人の服装や演技を見ているのは楽しかったけど、オチ含めて内容は「まあまあ楽しかったかな」という印象。

 

シングルマザーのステファニー(アナ・ケンドリック)は、息子の通う保育園(幼稚園かも)でエミリー(ブレイク・ライブリー)と出会う。平凡で若干の教育ママっぽいまじめなステファニーに対し、バリキャリでセレブ風なエミリーとは真逆な性格であるが、エミリーの息子をステファニーが面倒見たり、お互いの秘密を打ち明けるうちに仲を深める。しかし、ある日突然エミリーは息子をステファニーに預けたまま、失踪してしまい――。という感じの前半だったと思う。

 

これを見て最初に思い浮かべるのは、美しくて従順な妻が突然姿をくらます『ゴーンガール』だったと思うが、本作はゴーンガールよりももっとコメディタッチだったし、専業主婦で自らも秘密を抱えたママ友がその友人を探すという構図になっている。

 

まず面白かったのは、エミリーの素性の知れなさっぷり。エミリーは画面に登場するたびにどんなランウェイ歩いているんですか?っていうくらいに決め決めな装いで登場するのだが、演じているブレイク・ライブリーのスタイルの良さが故に、変な感じにならない。どんな格好をしててもオーラがある女を体現しているのが良かったです。その意味で、正体がバレて、きらびやかな服装をまとっていないときのエミリーのたたずまいも逞しさがあふれていた。

 

一方で実質的な主役のステファニー演じるアナ・ケンドリックは、相変わらずの「いい子過ぎてなんか鼻につく」感が出ててよかった。すごい失礼なことを書くと、アナ・ケンドリックって歌もうまいし、たぶん演技もすごい上手なんだろうけど、すごい熱狂的なファンってあんまりいない気がしていて。普通っぽさが同居している雰囲気がよい。

 

こういう映画に特有の誰が善で誰が超悪なのか、という観点はあまりなくて、ちょっとずつ全員が自分勝手でだましあいの結果、買ったのは一番戦闘能力弱そうなあの人だった、という印象。すごいすっきり感もなかったけど、これはこれで面白かったかなあという感じでした。